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飯島直子のMTBはコレだ


「待ってぇ、そのバス! 待ちなさい!」
 由美子(京野ことみ)の乗ったバスを追いかける尚実(飯島)。車道の真ん中を走ってバスを追いかける尚実(飯島)の姿が印象的なシーンだ 。

 ところで、この尚実の乗っているMTB、じつは横田(矢部浩之)の自転車である。横田にケガをさせてしまった尚実が、やむ終えず横田の代わりにメッセンジャーをすることになり、でもってこれもいきがかり上、しかたなく横田の自転車に乗っているという設定。

 だから、この自転車に対するこだわりは「横田のこだわり」というわけで、ツウらしく、これまた凄い自転車に乗っている。
 その横田のMTBは「スペシャライズド・Sワークス・FSR XC」というモデル。あのMTB界のヒール「ショーン・パーマー」の所属している「スペシャライズド(ブランド名)」が誇る、'99年型の最新モデルなのです。車名のなかに出てくる「Sワークス」という文字は、フラッグシップモデルであることの証。ベースマシンは完成車の状態(通常売り出されている状態)でお値段、な、なんと65万円。……しかもコレをベースに改造を施しているから、もういくらかかっているのか想像つかない自転車なのです。

 そんなこと聞かされてなかったのか、バスが停まるなり自転車を投げ出して(!)バスに乗り込んでいく尚実。マニアだったら「おい! ちょっと待て!」と怒り出してもおかしくないシーンが展開されます(これ以上詳しくは話せないけど……ごめんなさい)。

 それではここで、マニアな皆さんのために、もう少し詳しく横田の自転車の改造ポイントなどを紹介しておきましょう。

 まず、サスペンション。フロント(前)サスペンションは「マニトウ」というブランド(アメリカ)の「SX Ti」というモデルを装着しています。軽量化を計るために、内部にチタン製のスプリングを内蔵しているモデル。こだわってます。
 そしてリア(後)サスペンションは、「フォックス・エアーバニラRC」というモデルを装着。このフレームには標準装備されているモデルだけれど、これがまた凄いサスペンションなのです。軽量化のためにあえて構造に金属スプリングを使用せず、オイル+エアーで衝撃を吸収する構造になっています。よくわからない? とにかくこだわっているんです。
 さらに、コンポーネンツ(変速機とかギアとかブレーキとか……)は基本的に「シマノ・XTシリーズ」を装着。釣り具でも知られるあの「シマノ」。自転車の業界では「世界ナンバー1」のブランドで、ポテンシャルが高いことからトップライダーたちに愛用されています。「XTシリーズ」ですべてを構成しようと思うと……かなりな金額になります。
 さらにホイールを精悍なブラックカラーの「マビック・クロスリンク」に変更し、軽量さと高剛性を確保しています。マビックはツール・ド・フランスでも活躍しているホイールの老舗。ちなみに前後ホイールを合わせた値段は6万円。高い? いえいえ、このスペックでこの値段なら、マニアは「良心的だ」と首をタテに振る内容でしょう。スポークがクロスしていない「ラジアル組み」になっているのが一番の特徴です。このホイールにスリックタイヤを装着すると、ずばり50km/hは狙えるスペックだといえるでしょう。

 改造点はまだまだありますが、今回はこの位にしておきましょう。「映画だと走ってるシーンばかりではっきり確認できない!!」と怒ってしまうほどマニアな方には朗報があります。小学館の雑誌「BE-PAL(ビーパル)」の次号(8月10日発売、9月号)に詳細まで良く見える写真が、2ページにわたって大きく掲載される予定です。こちらもぜひお楽しみに。


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