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草なぎ剛の自転車


 「草なぎ剛は、飯島直子は、どこのなんて言う自転車に乗ってるの?」
 ……ぼちぼちこんな質問がくる頃だと思っていました。ということで、今回は草なぎ剛さんの乗っている自転車について、公開に先がけて簡単に解説させていただきましょう。

 ブランド名は「TREK(トレック)」、モデル名は「8000」です。トレックはアメリカを代表する自転車ブランドで、1978年にアメリカ・ウィスコンシン州で創業されました。新素材の開発や新構造の開発などへの取り組みが積極的で、つねに世界のMTBシーンをリードしてきたブランドといっても過言ではありません。1995年に発表された前後サスペンションを搭載した「Yフレーム」では、フレーム素材にカーボンを採用し、独特なY型のフレームで世界中に一大センセーショナルを呼びました。

 草なぎ剛扮する鈴木が乗っている「8000」には、軽量かつ剛性に優れたアルミフレームが採用されています。フレームのみの単体重量は1.57kgと超軽量。トップライダー、トラヴィス・ブラウン選手が全米選手権(NORBA〜ノーバ)で乗っているのと同じモデルで、しかも同じカラーリングが施されています。軽いモデルほど速く走れるってのが自転車の常識。だから、草なぎ剛扮する鈴木がスピード狂であることが自転車の選択からもよく分かります。

 そしてこの鈴木のMTBには、マニアらしく画期的な「ディスクブレーキ」も装着されています。ディスクブレーキのブランドは「HAYES(ヘイズ)」社。アメリカのブランドで、もともとはオートバイのハーレーの純正ブレーキを作っていたことで知られるブランドです。現在MTB用のディスクブレーキを作るブランドは世界に5〜6社ありますが、ヘイズはトップライダー達から最も好まれているブランドなのです。
 かっとび野郎ほどブレーキにも余念がない、そんなクルマのマニアなら当然のチューニングが、鈴木のMTBにも施されているのです。自転車のブレーキは雨が降ると効きが悪くなるというのが今までの常識でしたが、ディスクブレーキの登場で、雨でも効き目抜群になりました。

 そして「スリックタイヤ」の装着。スリックタイヤをMTBに履かせるなんて邪道だ、と思うかもしれませんが、このスリックタイヤが本当に速く走るためには必需品なのです。幅の広いMTB専用のブロックタイヤに比べると接地面積(地面と接するタイヤの面積)が少ないスリックタイヤは、抵抗が少なく、本当に速く走ることができるのです。

 また、バイクメッセンジャー「Tサーブ」のメンバーの間では定番になっていますが、鈴木のMTBもハンドル幅を大胆にカットしています。幅をせまくすることによって、クルマとクルマの間を、楽にすり抜けられるようになっているのです。
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