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島野 真
加山雄三
INTERVIEW
  

「この映画には、若大将シリーズと同じ空気を感じるんだ」

馬場監督のラブコールで出演が決定した加山雄三さん。彼が演じる島野真は、警察官を定年退職したあと、メッセンジャーの仲間に入るというパワーある中年だ。
「島野は、若いメッセンジャーたちががんばっているのを見て、『すげえ、いいじゃねえか。オレにやれることはないのか?』って感じるんだよね。それで奴らの仲間に入る。だけど、自転車をこぐのは体力的にキツイから、元警察官という経験を生かして“ディスパッチャー”※1をやるわけだな」

―ディスパッチャーは、東京都の地図が頭のなかに入っていないとできない仕事。この間まで警官だった島野には適職だったんですね。

そう。この厳しい世の中に夢中になれる仕事があるなんて、めっけもんだよ(笑)。職業は違うけれど、何歳になっても自分のやりたとをやっている島野と俺って、生き方が似ていると思うよ。

―メッセンジャーは「若大将」と通じるものがありますか?

船でレースをするときも、言葉よりもカラダが先に動く。仲間同士で理解しあっているから、“暗黙の動き”ができるんだよね。メッセンジャーたちにも同じ空気を感じるよ。俺、そういう雰囲気がすごい好きなんだ。


―馬場監督は、「若大将シリーズ」に憧れていたそうですが。

うん。彼は“若大将”と映画が好きで好きで……。だから作品を丁寧に作るんだよね。何度も同じシーンを撮影して、そのなかでいい物を残していく。そのぶん、進行が遅れることもあるんだけど監督は『遅れても、いい作品を作りたい』って思っている。じつは、めいいっぱいやっている監督自身が青春そのものなんだよ。だからこそ、“若大将シリーズ”にあった、若者のエネルギッシュさを『メッセンジャー』で再現できるんだね。俺も、実際に自転車便の会社にも見学に行ったんだけど、体を使って一生懸命働いている奴らに憧れちゃうところがあるんだ。この映画で、連中のすばらしさを出せたらいいと思うね。

※1ディスパッチャー
自転車便では効率よく配達するために、各メッセンジャーごとに担当エリアを決めている。ディスパッチャーとはいわば司令塔。本部で、メッセンジャーたちから現在地点を聞き出し、瞬時に荷物の受け渡し場所を指令する人々のこと。いかに効率のよいキャッチ&リリースができるかが自転車便のスピードの要にもなっている。







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