高級ブランドのアパレルのプレス・尚実(飯島直子)は、会社のオカネでゴージャスな生活を送る自信過剰な勘違い女であった(＝キリギリス的存在)。
しかし、ある日突然、会社が倒産してすべてを失い、無一文になってしまう。恋人だった岡野(別所哲也)から見放され、取り立て屋から逃げようとした尚実は、バイシクル・メッセンジャー横田(矢部浩之)を骨折させる事故を起こしてしまう。
事故を示談にすることを条件に、尚実は渋々ながら横田の代わりにメッセンジャーになることに。そこで出会ったのが、横田の親友・鈴木(クサナギ剛)だった。鈴木は地道に働くことを誇りにしている、自転車を愛する熱血メッセンジャー(アリ的存在)。そんな鈴木と尚実は「水と油」であった。

最初はイヤイヤ自転車便を始めた尚実だが、尚実の活躍で新しいクライアントを獲得、入院中の横田の恋人・由美子(京野ことみ)や退職したばかりの警察官・島野(加山雄三)も自転車便メッセンジャーとして加わり、次第に自転車便会社は忙しくなっていく。そして、鈴木もそんな尚実を見直すようになっていた。

ようやくこの仕事を好きになりかけていたとき、突然、岡野から「アパレルのプレスの仕事に戻らないか？」という誘いがあり、迷う尚実。そんな尚実に、「残ってほしい」の一言が言い出せない鈴木。そして、尚実の決断は……。そんななか、会社の存続をかけて、バイク便とのデリバリー・レースが始まろうとしていた。どっちが早く荷物を届けられるのか。圧倒的に不利な状況のなかで、鈴木たちはメッセンジャーのプライドをかけて戦いを挑む……。