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飯島直子、MTBで大転倒!?


「自転車で走れない人はいても、止まれないバカがどこにいるって言うの……」
 と、ブレーキレバーを握る尚実(飯島直子)、そして自転車は止まる。しかし、足はペダルに固定されたまま外れない!!
「ちょ、ちょっと、コレ外れ……な……!?」
自転車に跨がった姿勢のまま、倒れる尚実……。ドテッ。

 これは映画の冒頭のワンシーン。知らぬ間にペダルに足を固定されてしまった尚実が、ゆっくりと倒れ込んでしまうのが、運動音痴っぽくて、なんとも滑稽なシーンである。
 というのも、最近の競技用のMTBのシューズには靴底に金具が仕込んであって、この金具(ビンディングと呼ぶ)がペダルとカチッという音をたててジョイントされ、外れなくなる仕組みになっている。それを知らずに走り出した尚実が、いざ止まろうとして、ビンディングの外し方が分からずに転んでしまったという設定だ。

 当然、そんな危ないものを何で使うのかと疑問に思う人も多いことだろう。しかし、これにはちゃんと意味がある。ペダルとシューズを固定することによって、ペダルを踏み込む時の力だけでなく、ペダルを引き上げる時の力をも推進力にしてしまおうという発想が盛り込まれたシステムなのである。もちろん、外す方法はある。足首をちょっとひねってカカトを外側にずらすとペダルからシューズは外れるようになっている。もっとも、とっさに外せるようになるには、少々の慣れが必要ではあるが……。

 このシステム、考え出したのはあの「釣り具」でも有名な日本のブランド、「シマノ」だ。MTB用として10年以上前に発表され、今では自転車好きなら誰もが使っている「SPD(エスピーディー:シマノ・ペダル・ダイナミクスの略)」というシステムなのだ。スリッピーな上り坂などでは効果てきめんで、グイグイと坂を上る感じが楽しい。山道を走るために作られたものではあるが、坂の多い 街・東京にもピッタリなアイテムなのだ。
 もともとはスキーのビンディングからヒントを得たシステムで、MTB用として小型&軽量化の技術が盛り込まれた。ちなみに、このMTB用ビンディングの技術を応用して作られたのが、スノーボード用のステップイン・システムなのである。MTBとスノーボードがこんな意外なところでも結びついているのが面白い。

 面白いといえば、尚実の履いているMTB用シューズ。メーカーはスノーボードのシューズで「バートン」とならぶ人気のブランド「ノースウェーブ」だ。ノースウェーブ社からはMTB用だけでなくロードバイク用もリリースされており、こちらはロードレースの最高峰「ツール・ド・フランス」でも多くの選手に愛用されている。ファッションにうるさい人なら「イタリアンシューズを履かずに死ねるか」と、そのフィット感を絶賛するものだが、ノースウェーブはまさにそのイタリアンブランドであり、仕上げにも、斬新なデザインセンスにも納得のいく逸品である。
 SPD対応シューズは、シマノ、ノースウェーブのほかにも、総合スポーツブランド「ナイキ」や、モトクロスブーツのブランド、「ガエルネ」、「アルパインスター」、「AXO」などからもリリースされている。

 これからMTBをはじめようという貴方!! SPDシステムにもチャレンジしてみませんか!? 


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